季節変動

食管制度は撤廃しても間接統制を続けることによって、生産者にも消費者にも安定した米価を保証することができると政府は説明してきました。自由な市場が原則になるために正米市場はいうまでもなく、必然的に定期市場が出来上り、米価は毎日変動することになります。政府が財政力をもってこの市場に介入することはできますが、そこには限度があります。米価の季節的変動はかなり大きく、農家が米を売らねばならない年未には売り崩され、少なくない農家が飯米を買わねばならない頃には高くなることが予想されます。貿易に従事して輸入米を握る大手商社の投機市場を支配する力は大きいものですが、これを調整する制度は、政府による市場の買出動、売出動、支持価格制度等があるでしょうが、特別会計の資金の限度に束縛されることは免れられません。現実の米価は生産者受取り価格と消費者支払い価格の間の差の大きな開きになることを間接統制の実情が告げていました。
農産物が生産遇剰または輸入の圧迫を受け価格が急落した場合の価格安定策として、政府が買付けまたは融資を行う制度を価格支持制度といい、安定の水準となる価格を支持価格と言います。英米では主要作物について過剰農産物の一定価格による買上げ、標準価格と市場価格との差額の不足払い、輸入課金などの制度が設けられていますが、日本でも一定の価格での政府または政府機関買入れ制度が設けられました。

お金と農業環境

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