スライド方式

生産者米価の上げ下げに応じて、消費者米価も自動的に上げ下げする方式で、現行食糧管理法では生産者米価は、農家の生産費を償うように、消費者米価は、家計費を考慮してそれぞれ決められます。これを統一して、生産者米価を政府の財政負担する部分と、消費者が負担する分とに分け消費者負担部分を消費者米価にしようというのがスライド方式です。生産者米価が毎年大幅に上がるのを苦慮した農相が昭和39年に構想し、米価審議会小委員会で検討されました。基本米価はパリティ方式とか、生産費および所得補償方式とかによって出した米価で、これを基本米価として、そのうえに早場米地方の農家に対しては時期別格差、関西方面の硬質米を生産する農家に対しては歩どまり加算、その他にも包装代、予約奨励金などが付加されます。基本米価の算定はその基準の採り方によってどうにでもなり、科学的のようであってその実は人為的にどうにでも動かしうる結果が出るために、あまり権威ある方法といえず、非常に政治的なものがはいり込む要素をもっていました。結局は、低米価を望む政府と高米価を望む農村側との、政治的な力関係で政治米価が決まるのが現状でした。

お金と農業環境

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