農地流動化
農地流動化とは農地の売買や貸借を盛んにすることで、農業の近代化は、経営規模を拡大し機械化によって生産性を高めることになりますが、農業の現状は兼業農家ばかり増え、農地を手放して離農するものが少ないために、農地の売買は年8万ヘクタールにすぎず、一方の賃貸借も、農地法改工前には小作統制があって小作料が低い公定小作料に押えられ、さらに耕作権が発生して容易に貸し地を取戻せないことから、農地が流動化しにくくなっていました。農地制度としては公定小作料の改訂もやりましたが、さらに農林省には農地を貸す農家に賃貸奨励金を出すという考えもでていました。経営規模拡大政策の執念ともいうべきでした。
農地保有合通化法人とは農地を農地として有効に使うように管理する法人で、昭和45年の農地法改正で新たに認められたものでした。法人の形は都道府県、市町村あるいは農協などの出資による農業開発公社が多く、国が指定するこの公社は農業をやめたり経営を縮小する農家から農地や採草放牧地を買ったり借りたりして、経営規模拡大を志す者にそれを売ったり貸したりします。法人の農地買入の資金については、国が利子補給することになっていました。政府が構想し法案が成立しなかったことのある農地管理事業団に代わるもの。事業団構想は直接国がそうした事業を行なおうとしましたが、合理化法人は自治体が中心となって行なうことになります。

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